CASE STUDIES / 係属中案件

係属中訴訟のケーススタディ

現在進行中の借地・借家トラブルについて、当事者を匿名化した上で争点と法理をご紹介します。

このページについて: 掲載する事案は、当事者・物件を特定できる情報(企業名・個人名・物件名・住所・事件番号等)をすべて匿名化しています。 係属中の事案については、内容が一方当事者の「主張」であることを明示し、断定的な評価は行いません。 判決が確定した事案は、正式な判例データベースへ統合されます。 本ページの情報は一般的な法律知識の提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。

[記入例] 更新料特約と法定更新の適用関係が争われた事案

係属中
争点
法定更新と更新料特約の適用関係
主要法理
借地借家法30条(強行規定)/最高裁 昭和57年4月15日判決の射程
対象契約
都内区分建物の賃貸借契約(法人契約)
[年月]
賃貸借契約が法定更新により更新(更新の合意書は取り交わされていない)
[年月]
貸主側より更新料の請求書が送付される
[年月]
借主側が法定更新を理由に支払いを拒否、協議不調
[年月]
貸主側が更新料等の支払いを求めて提訴
主張(未確定)

[記入例] 契約書上の更新料条項は有効であり、更新の方式にかかわらず借主に支払義務があるとの主張。

  • 最高裁 昭和57年4月15日判決/昭和56年(オ)第1118号 更新料支払の約定は法定更新には及ばないとした判例。
  • 東京高裁 昭和56年7月15日判決/昭和55年(ネ)第1066号・第1094号 上記の原審。
  • 東京地裁 昭和56年4月27日判決/判例時報1006号26頁 償却保証金補充特約は法定更新に適用されないとした判例。

[記入例] 法定更新を選択した場合、契約書上の更新料特約がどのように扱われるかは、借主にとって重要な論点です。本件はその適用関係が正面から争われている事案として、進捗を注視しています。

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水道料金の按分請求方式を巡るトラブル(都内賃貸アパート)

係属中
争点
建物全体の水道基本料金を残存世帯で按分する請求方式の妥当性、契約変更に伴う負担増の適否
主要法理
重要事項説明義務、不当利得返還請求、実費精算の原則
対象契約
居住用賃貸アパートの賃貸借契約(管理費等は賃料に含む契約形態)
経過
建物の入居世帯数が減少(4世帯→3世帯→2世帯)する中、水道基本料金を残存世帯のみで按分する請求方式が継続
経過
実際の使用量に基づく本来の水道料金(月額2,000〜3,000円程度)に対し、按分方式により月額7,000円台の請求が発生
2026年前半
借主側が内容証明等により請求方式の是正を要求
2026年6月
管理会社側より、水道局にて各戸を独立した「一般契約」へ変更する手続きを完了した旨の通知あり。ただし変更前期間分については従来の按分方式での支払いを要請
主張(未確定)

水道局にて料金体系を「一般契約(実費精算)」へ変更する手続きを完了したため、今後は改善されるとする一方、「過去に遡っての契約変更は認められない」との理由から、変更適用前の期間分については従来の按分方式での支払いを求めている。

入居世帯数が減少した状況で各戸が独立した「一般契約」に切り替わった場合、水道局の料金体系上、各戸に一戸分の基本料金がまるごと請求される可能性があり、実質的な負担増となるおそれがある。 また、入居時の重要事項説明でこの按分方式について説明がなかった点、入居者減少時に是正されずに放置されてきた点についても、管理会社側の説明責任が問われている。

  • 本件は交渉段階であり、現時点で参照する確定判例は精査中です。判明次第、追記します。

共益費・水道料金等が賃料に含まれる契約であっても、実際の請求根拠(メーター方式、按分計算の妥当性)を確認することは借主の重要な権利です。入居者数の変動によって一人当たりの負担が不当に増加していないか、契約変更時に不利益が転嫁されていないかを確認することが、同様のトラブルの予防につながります。

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「自動更新」と「法定更新」は別物である ── 更新料請求をめぐる争い

係属中
争点
更新料特約が「法定更新」の場合にも適用されるか。契約上の自動更新条項と法定更新の法的性質の違い
主要法理
借地借家法30条(強行規定)・法定更新/最高裁 昭和57年4月15日判決の射程
対象契約
都内区分マンション一室の賃貸借契約(法人契約・社宅利用)

都内の区分マンション一室について、法人が居住用(社宅)として賃借していた。 賃貸人が交代した後の更新時期に、新賃貸人が更新料(概算で30万円弱程度)等の支払いを求めた。 借主側は、当該更新は合意更新ではなく法定更新にあたり、更新料特約は適用されないと主張して現在係属中である。

主張(未確定)

①契約書上の更新料特約は、自動更新(合意更新型)を前提としたものであり、法定更新には及ばないと主張している。 ②賃料増額の協議・合意が成立しておらず(調停不成立)、合意更新は成立していないと主張している。 ③借地借家法30条(強行規定)は法人契約にも適用され、法定更新を選んだ借主から無償更新の利益を奪う特約は無効であると主張している。

  • 最高裁第一小法廷 昭和57年4月15日判決 更新料支払の約定は、特段の事情がない限り合意更新の場合に関するものであり、法定更新には及ばないとした判例。
  • 東京高裁 昭和56年7月15日判決(上記の原審) 法定更新の場合、賃借人は金銭的負担なく更新の効果を享受できるとした判例。
  • 東京地裁 昭和56年4月27日判決/判例時報1006号26頁 償却保証金補充特約は法定更新に適用されないとした判例(旧借家法6条=現行借地借家法30条に相当)。

契約更新時に貸主から更新料を請求されても、それが「法定更新」であれば、更新料特約が適用されない可能性があります。 法定更新を選ぶ権利は借地借家法が借主に認めた強行規定上の利益であり、特約によって一方的に奪うことはできません。 同種のお悩みを抱える借主・外国人賃借人の方は、お気軽に組合へご相談ください。

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